インターネットにアクセスできれば、海外から家族や友人にEメールを送ったり、最新ニュースなどを入手することも簡単にできてしまいます。世界中どこにいてもネットさえあればOKなのですから、本当に便利な世の中になりました。多くの旅人たちもみな、インターネットをフル活用していることだと思います。私たちの場合、Eメール送受信&ネット閲覧に加え、HPの更新という意味でも非常に大切なネット環境。そんな旅先のネット事情について、各地の模様をレポートしていきます。ただし、ハイテク分野だけに流動的な部分もとても多いです。すべての情報は私たちが旅した時点でのものになります。あくまでも参考までに

アフリカのネット事情はこちら

 

 ■アジア

 

バンコク(タイ)

安宿街カオサンロード周辺には無数のネットカフェがある。値段はどこも変わらないが、マシン性能はピンきり。大半はWindows98だが、中にはWindowsXPのものも。CD-ROMドライブやFDドライブは基本的には付いている。日本語IMEはほとんどの店で導入されていた。回線速度はいまいち、というより遅め。ゲストハウス内でのノートPCによる通信は無理だと思ったほうがよい。なお、パソコン関連機器はパンティップ・プラザで入手可能。

 

 

シェムリアップ(カンボジア)

TAKEO GUEST HOUSEなどがある道(シェムリアップのメインロード?)沿いに3〜4軒のネットカフェがある。設備はどこも同じ、というよりまったく同じと言ってよいくらい同じ。Windows98、CD-ROMドライブなし、FDドライブあり。日本語IMEは問題なし。回線速度はいまいちだけど、バンコクより若干速い気がした。なお、Baphuon Guest Houseにいちばん近いネットカフェからはFTPできないので要注意。

 

 

プノンペン(カンボジア)

LAKESIDE GUEST HOUSEの目の前にネットカフェがあり、ここをよく利用した。Windows98、CD-ROMドライブなし、FDドライブあり。日本語IMEはインストールされているマシンとされていないマシンがあるので、使う前に店員に確認すべし。回線速度はやはりいまいち。プノンペン市街にはちょこちょことネットカフェがあるが、日本語IMEが入っているところは少ない。日本人バックパッカーが集まるキャピトル・ホテルの周りにも何軒かのネットカフェがあったが、未確認。パソコン・ショップはセントラル・マーケットのそばに数件だけあり、メディアや周辺機器などが手に入る(品揃えは期待できない)。

 

 

ホーチミン(ベトナム)

安宿街ファングーラオ・ストリート周辺に、ネットカフェ多数あり。ただしカオサンほどではない。Windows98もしくはWindows2000がほとんど。FDドライブはほとんどの店で使えるが、CD-ROMドライブが使える店はあまりない。日本語IMEも使える店と使えない店がある。回線速度は店によって差がある。速いところはまずまず速いが、遅いところは気が狂うほど遅い。一部FTPできない店あり。

 

 

ハノイ(ベトナム)

自分たちが泊まったホテルには、フロントに1台だけマシンがあり無料で利用できた。Windows98、CD-ROMドライブ&FDドライブあり。ネットにはその都度ダイヤルアップで接続しなければならないので、使うときは店員に声をかける。といっても、ダイヤルアップのパスワードは「123456」だったので、最後のほうは自分たちで勝手に接続してた(笑)。1日1時間までと言われたけど、守ったことはなかったし。日本語IMEは入っていなかったが、自分たちでインストール、ほかの日本人宿泊客に喜ばれた。解像度が640×480ドットになっていたので、800×600ドットに直したら、次の日には元に戻っていた。なぜ?

 

 

その他ベトナムについて

ベトナムにはホーチミンとハノイの2か所にグローバル・アクセスポイント(GRIC)がある。宿に電話が付いているケースも多いので、ノートPCで宿からネット接続することも可能だ。しかし、市外通話になると通話料金が決して安くないので要注意。私たちもホイアンで3時間くらい使っただけで50ドル近い電話代を宿に請求された。外国人が行くような街には基本的にはネット・カフェがあるので、そっちを利用したほうが無難。

 

 

昆明(中国)

バックパッカーご用達ホテル「昆湖飯店」の道路を渡った左斜め前、映画館やゲーセンが入ったビルの奥にネットカフェ(中国では「インターネット・バー」というらしい)がある。マシン性能はそこそこだが、回線がADSLと高速。ただし、中国のインターネット・バーは基本的にすべてそうだが、CDドライブ&FDドライブはなし。設定もいじれないようになっているし、使えるソフトも限定されている。利用時間はサーバ・マシンで集中管理しているっぽい。使用するときにパスポートを提示する必要あり。日本語IMEはすべてのマシンには入っていない。

 

 

麗江(中国)

古城の四方街には、ネットのできるカフェ(ネットカフェ専門ではない)が数軒ある。インターネット・バーのように厳重な管理などされておらず、自由に使える。CD-ROMドライブもFDドライブも装備。日本語IMEは入っていないマシンもあるが、自分たちでインストールしたので問題なし。なお、インターネット・バーに比べると若干値段が高い。

 

 

上海(中国)

インターネット・バーはあまり見かけなかったので、宿の部屋から通信した。上海にはグローバル・アクセスポイントが多数あるので、混雑を気にせず接続できる。実際、無事56kbpsでつながった。チェックアウトのとき、電話代の請求にビクビクしていたが、請求されなかった、ラッキー。パソコン・ショップはいたるところにあり、周辺機器はもちろん、ノートPCすら手に入る。ソニーのバイオなども売ってるのを見かけた。

 

 

蘭州(中国)

移動の経由地として一泊しかしていないので、街中のインターネット・バーなどの状況は未確認。自分たちが泊まった「蘭州大廈」からは、ノートPCで通信ができた。蘭州市内に1か所だけグローバル・アクセスポイント(GRIC)がある。上海に続きここもなぜか電話代を請求されなかった。

 

 

ウルムチ(中国)

ウルムチにもグローバル・アクセスポイントが1か所だけある。味をしめて、ここでも宿からネット接続しようと試みたが、なぜか接続できなかった。ちなみに泊まっていた宿「孔雀大廈」では、電話を使うのにいちいちフロントに内線しなければならなかったし、接続できなかったにもかかわらずアイドル時間分の通話料を取られた。宿の裏にインターネット・バーがあったので、仕方なくここに通うことに。しかし、CD-ROMドライブ&FDドライブ&日本語IMEなしのため、ネットを閲覧することしかできない。

 

 

カシュガル(中国)

宿泊した「其尼瓦克賓館」内のビジネス・センターにマシンが3台あり、日本語IMEも入っていた。ドライブ類はFDドライブのみ。ただし1時間10元と高額なので要注意。もうひとつの定番宿「色満賓館」も同様に1時間10元らしい。人民西路に何件かインターネット・バーがあるので、ネットの閲覧やEメールのみならばこちらを利用したほうが安上がり。実際、ほとんどの旅行者はインターネット・バーを利用していた。といっても、インターネットバーにはCD-ROMドライブ&FDドライブがない。そこで、自分たちはFTPのみ宿、それ以外はインターネット・バーというように使い分けた。

 

 

敦煌(中国)

バックパッカー定番宿「飛天飯店」がある鳴山路に、インターネット・バーが2軒。ただし、例によってCD-ROMドライブ&FDドライブなし。日本語IMEはすべてのマシンに入っていた。また、よく行っていた鳴山路のツーリスト・カフェにマシンが置いてあったので、そこでFTPなどの作業を行った。ただし回線が激遅で、しかもインターネット・バーより高い。どうやら無料プロバイダにダイヤルアップしているっぽい。敦煌は本当にケチケチ(敦煌の日記)。

 

 

ラサ(チベット)

宿泊していたYAK HOTELの1階にマシンが6台あった。CPUがPentium4、WindowsXP、1280×1024ドットの高解像度、フルフラットのCRTディスプレイという最新スペックのマシンで驚かされたが、回線速度は遅い。64kbpsを6台で使いまわしているっぽい。せっかくのPentium4がもったいなし……。CD-ROMドライブ&FDドライブ完備、日本語IMEもOK。禁煙なのがちと痛かった。ラサは旅行者が多いこともあってか、街のあちこちに外国人向けのネットカフェがある(自分たちはまったく利用しなかったが)。

 

 

ラサからネパール国境まで(チベット)

ラサ〜ダムの区間はかなりの辺境で、ネット・カフェのような店はまったく見当たらなかった。電気すらない街が多いので、この間はネットは諦めたほうが賢明。途中で充電できる場所も限られるため、デジカメやパソコンなどの電気製品のバッテリーはラサを出発前にフル充電しておいたほうがよい。ちなみにチベット第2の都市シガツェはそれなりに都会なので、ネットはもしかしたら可能かも(未確認だけど)。

 

 

カトマンドゥ(ネパール)

タメル地区はツーリストが集中する安宿街だけあって、ネット・カフェはそこら中にある。その数はバンコクのカオサン・ロード並み、いやそれ以上か。スペックはPentiumIII、Windows98がほとんど。日本人旅行者が多く、日本語IMEはほとんどの店で導入済み。FDドライブは基本的に付いているが、CD-ROMドライブが付いている店は少なかった。値段はどこもほとんど同じで、1時間20〜30Nルピー程度。回線速度にムラがあり、店舗ごとの速度差も大きい気がした。宿泊していたYeti Guest Homeそばのネット・カフェがそれなりに速度が出ていた。パソコン関連ショップはニューロード沿いに何軒かある。

 

 

ナガルコット(ネパール)

ネット・カフェはいまのところ1軒もない。ただし、現在建設中の店が1軒だけあったので、将来に期待。街の人の話では、ナガルコットの最高級ホテル「Club Himalaya Nagarkot Resort」のビジネス・センター内には1台だけマシンがあるらしいが、未確認。

 

 

ポカラ(ネパール)

レイクサイド、ダムサイドといったツーリストエリアに多数のネット・カフェがあるが、カトマンドゥと比べるとあらゆる面で劣る。Windows95マシンが多く、Internet Explorerもバージョンが5。28000bpsの回線を複数台のマシンで共有しており、通信速度はめちゃくちゃ遅い。しかもルータを使わずにソフトウェアで共有しているので本当に遅い。ちなみにポカラには「WLINK」と「bb.com」といったふたつのプロバイダがメインで、bb.comのほうが回線は速い。WLINKは時間帯によっては気が狂いそうなほど遅いので要注意。CD-ROMドライブが付いている店はほとんどない。料金はどこも一律で、1分あたり2Nルピーとカトマンドゥと比べてべらぼうに高い。日本語IMEはほぼすべての店で導入済み。なお、ポカラは頻繁に停電があり、自家発電のないネット・カフェは停電のたびに営業が停止していた。

 

 

バラナシ(インド)

旅行者がとにかく多い町なので、ネット・カフェの数も多いし、レストランのなかにネットのできるスペースを提供している店もある。料金はすべての店が一律で、30分10ルピー、1時間20ルピー。通信速度はどこもあまり速くない。日本語IMEもほぼすべての店で導入済み。FDドライブは問題ないが、CD-ROMドライブはあまり見かけなかった。おすすめの店は、モナリザ・レストランの数軒隣の小さい店。CD-ROMドライブ&FDドライブありで、FTPも問題なく行えた。人気の高いモナリザ・レストランでは、FTPできないのでホームページの更新には向かない。

 

 

カジュラーホー(インド)

数はそれほど多くないが、ネットカフェが数軒ある。また、宿内にネット・スペースを提供しているところもあった。回線速度はまずますで、バラナシよりは圧倒的に速い。宿泊したHotel Jainの隣のネット・カフェがおすすめ。CD-ROMドライブ&FDドライブありでFTP可能。タバコもOKだった。日本人の溜まり場ブルー・スカイ・レストランにも4台ほど端末があったが、「壊れている」との理由により確認できなかった。

 

 

アーグラー(インド)

タージ・マハルの正門を出て真っ直ぐに300メートル程度歩いた右側のネット・カフェのみ確認(入ってすぐ富士フイルムの大きな看板があるのが目印)。1時間40ルピーとちょっと高かったが、回線が速く使いやすかった。OSはWindows98、CPUはCeleron。CD-ROMドライブはないが、FDドライブでFTP可能だった。とにかく客引きがしつこいアーグラーのなかでも、この店の従業員の態度には好感が持てた。

 

 

ハイダラバード(インド)

ツーリストがほとんどいないためか、旅行者向けのネット・カフェは皆無。ただしローカルのネット・カフェはいくつか見かけたので、やりようによってはなんとかなるかもしれない。僕たちは短期滞在だったため未チャレンジ。これは推測だが、おそらく日本語IMEはどこの店にも入っていないと思われる。そもそも町中で日本人を見かけることもないくらいなので。

 

 

バンガロール(インド)

インドのシリコン・バレーと言われているだけあって、町中にネット・カフェがある。特にMGロード&プリゲイド・ロードの繁華街では、ひとつのビルに10数件のネット・カフェがひしめいていたりする。同様にパソコン・ショップの数も多い。ただし、これだけたくさんのネット・カフェがあるにもかかわらず、基本的にはローカル客向けなので、日本語IMEが入っている店は皆無。日本語を書けないだけならまだしも、読むことすらできない店も多い。僕たちはCD-RWに焼いて持参した日本語IMEをインストールさせてもらい、日本語でネットをすることができた。ただし、プロキシの問題でFTPはできなかったし、店員にもFTPはダメと言われた。FTPという単語が通じることに感動。さすがバンガロール。

 

 

プッタパルティ(インド)

予想以上に観光地化が進んでいたプッタパルティ。ガイドブックなどではあまり触れていないようだが、ここはほとんどツーリスト・エリアと呼んでよいほどに宿、レストラン、みやげ物屋などが充実している。もちろんネットカフェも例外ではなく、町中にネットカフェがあった。しかも比較的新しくできた店舗が多く、マシンは新しめ。CD-ROMドライブも使えたし、FTPも問題なかった。なお、この町はサイババの教義により基本的にどこに行っても禁煙。ネットカフェ内も当然タバコは吸えない。

 

 

ハンピ(インド)

町全体が観光地なこの町もネットカフェの件数は多い。しかし、僕たちが滞在中ずっと、すべてのネットカフェで何らかのアクシデントにより回線が閉ざされていた。多分プロバイダ側の問題だと思われるが、このせいで僕たちはハンピでは一度もネットができなかった。なお、ハンピにあるネットカフェはどこも古い端末ばかりのようであった。そんななかヴィルーパークシャー寺院から渡し舟乗り場に向かう道の途中にある店は、唯一設備がしっかりしていたようだ。なお、河向こうにはネットカフェは1件もないので要注意。

 

 

ゴア(インド)

旅行者が作ったこの町は本当にいたるところネットカフェだらけ。ただしゴアといっても非常に広いので、自分たちが泊まったアンジュナ〜バガトール近辺の店しかネットは試していない。オススメはバガトール・ビーチ手前のY字路のところにあるネットカフェ。ここはOSがWindowsXPだったし、CD-R/RWドライブも付いていた。しかも店員のおじさんがいいやつ。あとは、China Town Restaurantの隣にあるホテル1階のネット屋もスピードが速くおすすめ。ただし、こちらはFTPが不可。持参のFDを使うときも「ウイルスは入っていないか?」などと文句を言われたし、店員の愛想も悪い。

 

 

ボンベイ(インド)

インド最大の都会ボンベイは意外とネットカフェを探すのが大変。ローカル向けの店が多く、日本語IMEが入っている店は意外と少ない。それでもボンベイで唯一安宿が集まるインド門周辺にはちらほらとネットカフェが点在する。利用料金は1時間30ルピー程度とインドのほかの地域と比べて安い。ちなみにボンベイにて入院した際に病室の電話回線から、ノートパソコンでネット接続が行えた。ボンベイでは宿に電話が付いているケースもあるので、部屋からの通信も現実的かもしれない。

 

 

アフリカのネット事情