サンクリストバル・デ・ラスカサス……舌をかんでしまいそうな名前のこの街は、メキシコのなかでも先住民率の高い都市として知られています。スペイン人入植後に作られたコロニアル調の街並みと、あでやかな民族衣装を身にまとったインディヘナ(先住民)のギャップは、この土地が歩んだ歴史をそのまま体現しているよう。付近の村にも足を伸ばし、いかにもメキシコらしい景色を堪能しました

 

サンクリストバルの街並み。ここもやっぱりコロニアル調で実にロマンチックな雰囲気なのです

 


もちろん街の中心地には由緒正しい教会がデデンと建っております。こちらはサントドミンゴ寺院。バロック様式の壁面装飾が美しい
あでやかな色使いといい、ファンシーな装飾といい、実にキュートなカテドラル。このままディズニーランドに持って行っても使えそうです

 

カテドラルの前の広場は市民の憩いの場。物売りやら、観光客やらヒマ人やらが日がなブラブラとたむろしています

サンクリストバルでお世話になった16ペソ定食。16ペソといえば日本円で160円ぐらい。それでこのメインのほかにスープ、飲み物がつくんだから、やっぱり安いっす

 

この街は道が細く、ほとんど一方通行。車が2台も通ればいっぱい。街歩きするにはちょうどいいサイズです
ツーリスト向けのおしゃれなカフェ。ホントにおしゃれだな(笑)。よく散歩ついでに寄っていました

 

意外とうまかったカプチーノ。ちゃんとエスプレッソ・マシーンを使って作ってたからかな?
街の市場はいつも活気がいっぱい。こういう市場にいるとなんだか東南アジアを思い出してしまう。もちろんスリには注意、です

 


豆類はこんなに種類があって、私たち素人にはいったい何がどうなるのか検討もつきません(笑)。一説にはインディヘナの人たちの食生活は、マヤ時代とさして変わっていないそう
ここでメキシコ人の主食、トルティーヤの作りかたをご紹介。まずはトウモロコシの粉を使った生地を小さく丸めます。丸めた生地を台の上に置き、ビニールをかけて……

 

蓋をかぶせ、エイッっとばかりに生地をプレスするお姉さん。この木でできた「トルティーヤ・マシーン」は道具屋さんなんかで見かけます
蓋をパカリとあけると、生地は薄〜く丸〜く伸びています。しかしここまでキレイな丸にするには熟練の技が必要ですな

 

最後に鉄板の上で生地を軽くあぶってできあがり。メキシコでは必ず料理と一緒にこのトルティーヤが出てきます。ウマイんだな、コレが

トルティーヤの上に肉とネギなど薬味を載せれば、タコスのできあがり。日本でタコスというとパリパリとした硬い皮のものが多いですが、メキシコのタコスの皮はたいていしっとりとしています

 


夕刻の市場。そろそろ買い物も終え、みんな家に向かっているのかな? こういう、意味もなく人がウロウロとしているスポットは、旅人にとってもつい足が向いてしまうもの

サンクリストバルの燃えるような夕日。深い雲の間からチロリとのぞいた夕日は鮮烈で、しばし見入ってしまいました

 


この街のもうひとつの楽しみは日が暮れたあとのそぞろ歩き。オレンジ色のライトで照らされた石畳の道、コロニアル調の家はビューティフル!

近郊にはインディヘナが住む村がたくさんあって、曜日によって青空市場が開かれている。ここは付近でもいちばん大きな村、サンファンチャムラ

 


この村の日曜日にはご覧のとおりの規模の青空市が楽しめる。付近の村からも買出しに来る人が多く、昔ながらの先住民の暮らしがのぞける

売る人もインディヘナなら、買う人もインディヘナ。みんなこの日はハレの日らしく、細かい刺繍の入った民族衣装に身を包んでいる

 


インディヘナのブランケットはカラフルでいかにもメキシコっぽい。本当は欲しかったけど、荷物になるしなあ……と諦めてしまった一品。実は後悔してます(涙)

市場にはもちろん新鮮な果物や野菜が溢れている。市場の向こうに見えるのが、この街いちばんの教会

 


観光客に対しては「アンタ、なにもの!」と鋭い視線を向けるインディヘナの方々ですが、子供はやっぱり無邪気なもの。お母さんのお店を手伝っていた少女はニコニコといい笑顔でした

小さな子もちゃんと民族衣装を着ているからカワイイ。必死に何かを食べている少女、何を食べてるのかな?

 


市場の花形といえばやっぱり肉屋。バカデカイ牛を、包丁でザクザクと切っていく。しかしこうやって見ると牛っていっぱい肉がついているのね……

市場では教会や祭壇に飾るための花も売っていて、妙齢の女子が群がっていました。乙女=花、というのは万国共通なのかな?

 

翌日向かったのは、これまた近郊の村シナカンタン。霧がけむるなか、田舎道を散歩していると「ああ旅してるな〜」とついセンチメンタルな気持ちになってしまうのね

シナカンタンの村にいた、ゴージャスな鳥たち。コレ、なんていう鳥なんでしょ? ベロリと垂れた赤い喉元が意味深だな(笑)

 

この村はあでやかな刺繍の入った民族衣装でも有名なのだそう。確かに、ファンシーな花のブラウスにはついつい目がいってしまう。インディヘナのこのおばちゃんは迫力があってカッコよい人でした
この村では機織をしている女性をよく見かけました。1本1本手で糸をかけていく作業は見ていて気が遠くなっていく……。私もこの村に産まれたら、毎日機織の生活なのかな?

 


あでやかな刺繍の民族衣装。ビックリすることに、この刺繍はすべて手作業で作られている。どこか日本の着物と通じるところがあるような気がするなあ

さらに近郊の街を探索すべく出かけたのはテネハパ村。山間にある小さな村で、この日はあいにくの雨だった。左手奥に見える白い建物がこの村の教会。教会ってのはどこでも村の中心地にある

 

テネハパ村のメイン道路。メインというにはあまりにものんびりしている。この村が「桃源郷」と名高いのもなんだかわかるような気がするな
今日は霧が深く、視界もかなり悪い。けれどそのぶんこーんな幻想的な景色が見れてしまうのです

 


村のブー子。このあたりの村では野良犬のように野良豚(といってもちゃんと飼われているんだろうけど……)がウロウロしているのね