トルコ観光のハイライトはなんといってもカッパドキアです。気の遠くなるような年月をかけて創られた奇岩群が、乾いた大地ににょきにょきと生えている景観は、これまで見たこともない幻想的な光景でした。変な岩ばかりを撮り続けたら、2ページにも渡るボリュームになってしまったのだけど……

 


カッパドキアは関東平野ほどの広大な地域。その中のギョレメというエリアを中心に、写真のような奇岩が広がっている。まるで映画のような光景にしばし見入る。これがすべて自然の力で作られたのだから、スゴイ

 

カッパドキアの奇岩その1。というか、このページの写真にはひたすら奇妙な岩が並んでいるので、興味のない方はご勘弁を(笑)。カッパドキアがスゴイのは、なんとこの奇岩に人が住んでいる(いた)ということ。いまでも住居や宿として岩が利用されています
こちらはギョレメ屋外博物館の奇岩。窓のようになっているところは、かつて教会として使われてきたもの。カッパドキアは景観のみならず、こうした奇岩の中に膨大な数の教会やキリスト教壁画が残されている。自然と文化のマッチングが楽しめる場所だ

 

とにかくカッパドキアの景色は何を撮っても絵になる。ここに来れば誰でも「にわか岩マニア」になってしまうことでしょう。この景観の中で青い空に白い雲が悠々と流れていくさまを見ているのは気持ちいい

これらの奇岩は数億年前に起きたエンジェル山の噴火による火山灰の地層によって創られたもの。長い年月をかけて岩の固い部分だけが残されてこんな不思議な形の岩となったのです

 


見渡せど見渡せど、ヘンな岩ばっかり(笑)。写真で見るとこれらの岩は割とコンパクトに見えますが、実際には10メートルを越すようなものも多い
野外博物館や景観のよさで知られる観光スポットを見て回るのも楽しいけれど、「私だけのお気に入りの奇岩」を見つけるのもまた一興。滞在中はよくふたりで探検していました。これはその途中に見つけた岩。スコーンと向こうの空が見える岩って、なんだか不思議じゃない?

 

ここも探検途中に見つけた大パノラマ。探せば誰もいないひっそりとした場所にもこんな壮大な景観が広がる。変な岩とやたらスマイルのギャップが激しいな、オイ

ギョレメの屋外博物館にて。数年前、カッパドキアをドキュメントしたTV番組がトルコ国内で放送されたこともあって、いまやこの地はトルコ人にとっても一大観光スポット。以前はここまで混むこともなかったそうですが、私たちが行ったときはうじゃうじゃ人がいました

 


修学旅行かな? 黄色い声をあげていたトルコ人ギャル集団。トルコ人は老若男女、みな人懐っこい。ときにそのテンションの高さについていけないぐらい(笑)。遠くからでもカメラを向けるとみんなポーズをしてくれました

ギョレメ屋外博物館にはは多くの岩窟教会があって、教会と教会の間はこんなトンネルでつながっている。トルコといえばイスラム教のイメージだが、こんな土地にキリスト教の足跡が残っているかと思うと感慨深い

 

奇岩の中の空間を利用した教会。乾いた岩肌にかすかに赤い色でフレスコ画が残る。保存状態はあまりよくないけれど、確かにそれはかつてキリスト教があったことを証明する。この地には4世紀前後からキリスト教の修道士たちが住み着いたとか
教会内部に描かれたフレスコ画。かなり稚拙だけど、そのぶんプリミティブな感じがする。なんとなくエチオピア正教だとかエジプトのコプト教だとか、「原始キリスト教」の香りがする宗教とダブる。私はこういうのに弱いのね

 

教会の天井部に描かれたフレスコ画。子供の落書きのようで(失礼)、独特の味がある。このあとヨーロッパに入って壮麗な教会を数多く目にすることになる前にコレを見ておいてよかったかも

街にはなんと「奇岩を模したホテル」までありました(笑)。しかも薄いピンク……話のタネに一度は泊まってもよかったかも。アメリカのラスベガスにはテーマホテルというのが多いらしいけれど、こんなのがいっぱいなのかしら?

 


こちらは私たちが泊まった部屋。なんと奇岩の中の洞窟部屋です。初めての洞窟部屋を記録しようと必死でパソコンをいじるダンナ、写真を撮る妻(笑)。部屋は暑い昼間には涼しいが、朝夕はかなり寒い。ちなみにこの部屋で1泊2000円ちょっと。お得です

ギョレメの近くのウチュヒサールという村は大きな岩で造られた城塞が中心にあり、その周囲を囲むように村ができている。遠くから見るとにょきっと突き出した岩山がすぐ目に入る

 

城塞の頂上部分。ここはちゃんと上まで階段が付いていて、登れるようになっている。しかし、カッチョイイ岩ですな
ウチュヒサールの城塞の頂上にはトルコ国旗が誇らしげにはためいていました。いままでいろんな国旗を見てきましたが、私的にトルコのものはかなり評価が高い。赤と白、星と月……シンプルだけど、どこかかわいくて好き

 


カッパドキアにはトルコの田舎から来た人も多いせいか、写真を撮っていると必ず「一緒に撮って〜」とお声がかかる。久々に味わう「プチ・スター気分」(笑)。一部を除いて、トルコ人はかなりいい人が多いという印象だ
城塞のてっぺんから見渡すカッパドキア・パノラマ。ここ、ヤバ過ぎ! ものすごい絶景に、声が出てしまう。宮崎駿映画なんかが好きな人にはこの景色はオススメです

 


岩山のてっぺんから見渡すカッパドキア・パノラマ。スゴ過ぎて、このまま空に向かって駆け出してしまいそうだ(笑)。乾いた土地ににょきにょきと岩が生え、その合間を縫って緑が顔を出している


パノラマの後方にはなだからな土地が続き、おもちゃのような家が建ち並ぶ。このあたりはお土産屋さんも多い

 

こんなところでラクダくんと遭遇。客を乗せて城塞を上り下りするのが彼の仕事。だいたいトルコってもともとラクダがいるの? と思ったが、ラクダくんはただただのんびりした目を見せるのみ。周囲にラクダ使いの人影が見えないんだけど、どこに行ったのかなあ

奇岩とラクダくんふたり。ラクダってかわいいよねえ、優しそうな目をしてるし、鼻から口のラインはマヌケだし(笑)。性格も大人しいし、ピースフルな動物ナンバーワンでしょう

 


ラクダくんは疲れてしまったのか、お姉さん座りになって、一休み。この足のポース、なんかキュートでない? 後方に見える脚立はラクダくんに乗るためのもの
村の家のテラスから、トルコ人のおじちゃんがこちらを見つめていました。不審者に見えたのかしら(笑)。テラスを囲んでいるのはブドウ。ここでは鳩の糞を肥料にしてブドウを育てているとか

 

村の中で見つけたホウキ。たぶん自分たちで枝を集めて作ったのでしょう。元祖、手作りホウキという感じで、味がある一品ですな

村の工事現場に佇んでいたリアカー。レトロな色使い、デザインがカワイイのね。欲しいけど、日本ではまず必要ないな(笑)

 

このあたりの土地は乾いているから、生えている草もなんだかタフそうな奴ばかり。コレも分厚い葉っぱに白い毛がびっしり生えたツワモノ。毒でも持ってそう?
上のほうで岩窟教会や宿は紹介しましたが、スゴイのはいまでも奇岩の中の洞窟に人が住んでいるということ。このトンガリ岩も、あるファミリーのおうち。人生で一度ぐらいこんな家に住んでみたいものです

 

左のトンガリ岩の玄関にて。ここは彼女たち姉妹とお父さんお母さんの4人家族のおうち。中はキレイに片付いていました。トルコは美少女が多いけれど、このぐらい小さい子もかなりカワイイ

カッパドキアに滞在していると、ひとことに「奇岩」といってもいろんな形があることに気がつく。その違いを見分けるものまた楽し。コレは……何かに見えてこないでしょうか(笑)

 

奇岩の中でも人気が高いのは、このかさを被った「キノコ岩」。キノコというよりキノコの山っぽいと言った人がいましたが、確かに写真のコイツははそんな感じですね

このあたりの地形は奇岩だけでなく、すべてが不思議。小高い丘の斜面には、なだらかな岩肌のグラデーションが広がる。砂漠みたいにも見えるが、砂は砂漠のものほどサラサラはしていない

 

なんとかウマク撮りたいものだと思いつつも、自然景観というのはなかなか写真では伝わりにくいもの。だからこそ人は旅に出るのでしょう。と、思わず悟ってしまいたくなる景色。次ページにもまだまだ続きます