かつて広大な土地を支配していたインカ帝国。その中心地であり、「へそ」を意味する街がクスコです。インカの面影を残しつつもスペイン風の美しさがあるこの街は、そこここに風情があって、いるだけで満たされてしまいます。あまりの美しさにひかれたせいで? 私たちは南米上陸早々、ついつい沈没してしまったのでした

 

山々に囲まれた盆地にあり、全体的に茶色っぽいクスコの街並み。赤い瓦の家々がぎっしりと並んでいます。初めて見たときは、なんて美しい街なんだろう! と思わず息を飲んでしまったほど

 

もちろん、街中を歩いていても情緒たっぷり。標高が高く坂道が多いのが難点だけど、まあそのぶんゆるりと散歩を楽しめるってもの

街の中心はここでもやっぱりアルマス広場。広場に面して立っているラ・コンパニーア・デ・へスス教会は空に突き抜けていくような華麗な建物も魅力ながら、内部の豪華さも一見の価値あり

 


クスコのアルマス広場は広々とした印象を受けた。写真左はカテドラルで、インカ時代のビラコチャ神殿跡に建設されたもの。内部はかなり広く、銀300トンを使ったというメインの祭壇はとにかく壮大だ
広場の噴水をしたがえてそびえるラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会。壮麗な外見はヨーロッパもビックリ? クスコは地震も多く、現在の建物は1650年の地震のあとに建てられたもの

 


クスコの楽しみのひとつがランチ。普段は結構なお値段をとるレストラン「PUKARA」でも、ランチはご覧の通りの豪華さで2ドル以下。日本のから揚げみたいでおいしかった♪
スペイン風の建物に交じって、インカ時代の名残も街中の各所に見られる。そのひとつがインカ帝国の高い技術を誇る石組み。女子高生が通学路として使っている道にも、こんな立派な石組みが残されているのだ

 


かみそりの刃1枚通さないと言われるインカの石組みは、なるほどパズルのように石が巧妙に組み合わさっているのです。こちらがクスコの街中で有名な12角の石。実際目にしてみると、なにもそんな複雑に組まなくても……とついつい思ってしまうほど

広場の脇ではなにやら写真展が行われていて、地元の人が熱心に見入っていました。どうやら政治的な意味合いも強いこの展示、こういうのに興味を示すのは、やはり彼らクスコ市民がインカの民の血をひいているから?

 

とはいえ、歩いてみるとこんな爆笑気味のマネキンも見つけられちゃう。しかし、ここまでニカーっと笑っているのもスゴイな(笑)。またこの笑顔が怪しい

クスコ名物といえば日本食レストラン「金太郎」のインカ丼。お値段は15ソル(=約470円)とペルーにしてはやや高めで、プラス1ソルで大盛り、プラス2ソルでてんこ盛りにしてくれる。食いしん坊の私たちは当然! てんこ盛り。チチカカ湖でとれるマスのお刺身+アボガドという絶妙の組み合わせ。コレがホントにおいしいのよ

 

こんな裏路地を歩いていると、いつぞかの時代にタイムスリップしているような気持ちになる。石畳の道も風情があってよろしい
ペルーの国民的飲み物といえばこの「インカ・コーラ」。パキっとした黄色い飲み物は、かつてインカ帝国が「黄金の国」と呼ばれるほどに金に溢れていたことを象徴するかのよう。味はシロップのように甘ったるいが、慣れるとやみつきになる 

 


日本人宿「ペンション八幡」でさる旅行者に作ってもらったインカ・コーラの携帯灰皿。めちゃくちゃカワイイでしょ。ペルーいちばんのお土産かも。実はもったいなくて使っていない
歩いているとこんな民族衣装を来た少女たちが寄ってきて、「写真撮ってくだしゃい!」と日本語で話しかけてくる。ツーリスティックなんだけど、かわいいから撮ってしまった。もちろん撮影後にはお小遣いを要求される

 


「な、なんだよお、こっち見るなよ〜」な少年とリャマ。ここクスコに来て初めてリャマという動物を見たけど、これがめちゃくちゃカワイイ! ラクダとロバをかけ合わしたような感じで、かもし出す雰囲気がおっとりしている。アンデスを代表する動物のひとつ

同じくアンデスを代表する動物がこちらのアルパカ。リャマよりも小型+たんそくで、毛足は長い。アルパカの毛は温かく、セーターなんかにもよく使われる。おばちゃんとアルパカ、似合い過ぎでしょ

 

で、かわいさにつられて思わず写真撮っちゃいました。もちろんおばちゃんもアルパカも観光用。でもカワイイから許す! 毛はふわふわしていて気持ちいいのね
メルカド(市場)の前の通りはいつも賑やか。ぎゅうぎゅうに並んだ露天の横で兄弟が追いかけっこしていました。こういう風景を見ると、なんだか懐かしい気分になるのはなぜ?

 


メルカドのなかは果物が溢れていました。フルーツ好きの私たちとしては、この光景はウレシイ限り。バナナ、オレンジ、ぶどうなどなど、種類もかなり豊富

ペルー国民には欠かせないのがさまざまな種類のとうもろこし。インカ時代から変わらず主食として愛されている一品。黒いとうもろこしからはお酒(チーチャ)も作られるのだ

 


もちろんチーズもあります。丸く固めたチーズを並べて威勢よく商売していたお姉さんをパチリ。お味のほうは……


穀物の中にまぎれて商売しているおばちゃん。しかしこんなに種類がいっぱいあって、いったいどれを何に使うの? 市場にモノが溢れていて、見ているだけで気分がよくなる

 


友人アキくんが靴を物色中。といってもチープなものが多く、履いているとすぐに壊れちゃいそう。結局彼も買うのは断念

なんといってもクスコは夜が美しい。ライトアップされたカテドラルとその周辺は、ヨーロッパもビックリのロマンチックさなのです。ここにいるだけでついうっとり〜

 


もちろん広場のまわりもご覧の通りの美しさ。リマでも思ったけれど、街灯がすべてオレンジ色に統一されるだけで、こんなに雰囲気が出るものなのです
ペルーの有名なお酒といえばピスコ・サワー。ワインを基調にした甘いカクテルで飲み口がいい。といってもアルコール度数は強いので、飲み過ぎに注意!

 

ここは観光地だけあって、ツーリスト向けのレストランも充実している。ピザだって釜焼きでちゃんとアツアツで出てくる。この写真を見ていたら、ピザが食べたくなってきた(笑)
茶色い山肌に刻まれた「VIVA PELU」の文字。これ作るの、大変だっただろうな……とつい思ってしまう

 

歩いていたら、家の二階のテラスから子犬が何かをじっと見つめていました。クスコの街中には結構犬がいて、こんなカワイイ子たちに出会うチャンスも多い

博物館で見つけてビックリしたのがこの頭蓋骨。頭のてっぺんに丸く穴があいているのは、手術の跡なんだと! インカの民は脳の手術までしていたほど、高い文明があったのだ

 


定番のコロニアル調の建物も多い。丸いアーチと広々とした中庭……ってコロニアルはそろそろ飽きてきたかも? こちらは市内にあるサントドミンゴ教会
石の柱は近くで見ると、びっしりと細工がしてあって美しい。もちろんこれはペルーがスペインに侵略されてからの産物

 

修道院の壁画に、こんなものを発見。よく見ると母乳を飲む赤ちゃんの隣に、母乳を飲むおっさんが! コレってありなわけ? としばし夫婦で議論になった一品

クスコ周辺の村では織物がさかんで、市内でもこんな工房が見られる。ちゃんと民族衣装を着て作業しているおばちゃんたち。ひとつひとつ手作業で織っていくのを見ると、気が遠くなりそう……

 

クスコのポストオフィスにあった郵便入れは、どことなく映画「ローマの休日」に出てきた「真実の口」風。こういうところの隣に普通にインディヘナのおばちゃんがたむろしていたりしてなんか不思議

パソコンを盗られた私たちが未練がましく訪れたのがモリーノ市場。ここはクスコでも有名な泥棒市で、さまざまな日用雑貨が並んでいる

 


電気屋のおやじは熱心に何かを直していた。こうやって壊れても壊れても直す姿勢は日本人も見習わなきゃ、だと思う。ペルー人って手先が器用な人が多い
クスコのお気に入りスポットのひとつ、サクサイワマン遺跡。高台にあり、ここでもインカの石組みが堪能できる。この巨大な石をどこから持ってきたのだろう? でもってどうやって積んだんだろう?

 

こうやってダンナが並んでみると、いかに1個1個の石が巨大かがわかる。ここはもともと要塞として使われていたらしいが、それにしても立派!


サクサイワマン遺跡でのんびりしていたら、こんな雲が目の前を漂ってきた。夕日を浴びて赤く光る雲、なんだか乗れそうだな……

 


そしてまたクスコに夜が訪れる。金色に輝くライトがあまりにキレイで、しばしぼんやりと眺めてしまう。女子ならこの景色でオチるな(笑)

夜が降りてくると、こんな小さな教会でもきちんとライトアップされる。街づくりとか街の雰囲気を大事にしているクスコならでは

 


そして今夜はキムチ鍋! 韓国料理屋でキムチをゲットして、宿のキッチンで作る鍋は野菜いっぱいで実に美味でした。日本もそろそろ鍋の季節だな〜