特集 第2回 夫婦対談・アジアの旅を振り返る

絵里(以下、絵):あけましておめでとうございます。
友和(以下、友):あけましておめでとうございます。
絵:なんかこういうのはしんみりしちゃダメよ(笑)。やっぱり「新春特別企画〜!!!」ドンドンパフパフ〜ってやらなきゃだめだね。
友:だね。まあ新年だし無礼講、無礼講。この際いままでの旅をまた思い出して語ってみましょう。
絵:ま、年始から無礼講でいいのか?って思うけどね(笑)。
友:いいのいいの。とりあえず去年の7月5日に出発したから、ちょうど半年。通ってきた国はタイ、カンボジア、ベトナム、中国、チベット、ネパール、インドの7か国。チベットを中国とすると6か国だけど。
絵:意外と少ないね(笑)。
友:困ったね(笑)。
絵:まあ年明けからガツガツ移動するとして。このあとアフリカに飛ぶとなると……この対談はアジア総括って感じだね。

※この対談記事は2003年1月1日に配信したメルマガの内容を再編集したものです

■目次
・一年前は何をしていたか? いまとの違い
・行ったところでよかったところ/悪かったところ
・よかったエピソード/悪かったエピソード
・うまかったもの/まずかったもの
・よかったデートスポット/悪かったデートスポット
・ホームページ制作秘話
・旅で買ったもの/持ってきてよかったもの
・今年の抱負……
世界一周夫婦

●一年前は何をしていたか? いまとの違い

友:一年前のこの時期は……。
絵:ふたりとも仕事してたね。
友:年末は特に忙しかったよね。地獄の年末進行(笑)で。一週間ぐらい朝帰りとか徹夜が続いてた。
絵:私は大晦日のカウントダウンまで仕事だった。
友:そうだったそうだった。で、新年明けてすぐに仕事帰りの絵里ちゃんと待ち合わせしたんだよね。
絵:そしたらともちゃんはすでにベロベロで(笑)。帰り道の記憶ないでしょ。車で超ぐーぐー寝てたよね。
友:その頃から寝つきがいい、旅向きの体質だよね。
絵:年始も早くから仕事してたね。ともちゃんは確か3日から。私は4日から。なんだか去年の記憶といえば仕事しかない(笑)。
友:でも鎌倉に初詣に行ったじゃん!
絵:あっ、そうそう。「夫婦円満 世界一周」って絵馬に書いてたよね。その頃はただのひそかな企みって感じだったけど。
友:言ってみるもんだねえ(笑)。確かに当時は自分たちでも「ホントか?」って思ってたところはあったしね。結婚が決まったのもこの時期だよね。
絵:それが1年経って、いまは南インドのゴア。
友:あの頃から比べると、夢の世界のようだよね(笑)。違い過ぎるよね。
絵:なんだかずいぶん遠いところに来ましたって感慨深い気がするー。
友:日本の一般社会からも遠のいてしまったけどね(笑)。
絵:そうだよね。東京で仕事している人から「いよいよ師走です」とかメールもらっても、「ああ、師走ってなんだっけ?」みたいな(笑)、いまいち実感がわかないところがある。
友:まあ何はともあれ、去年はホント激動の1年だった。
絵:引越しもしたし結婚もしたし、仕事も辞めたし、旅に出たし…。
友:どれか一個でも一大イベントなのに、それが重なってる(笑)。盛りだくさんの1年だったよね。
絵:旅に出る前、結婚するまでの前半戦は結婚式ビデオを観てもらうとして、後半戦はこのホームページを見てもらうとして……。
友:それじゃあなんも話すことないじゃん(笑)!
絵:困ったね(笑)。まあでも私たちもいちいちマメに記録してるよね。
友:おかげでこのホームページもサーバの容量オーバーになりそう。
絵:自分好きだよね(笑)。思い出マニアだね。

 

●行ったところでよかったところ/悪かったところ

絵:とりあえず、よく旅でほかの旅行者と話をしてて、いままで行ってよかったところ、悪かったところ……って話になるよね。
友:あり過ぎて、挙げられない……。
絵:あえて挙げるなら?
友:総合して見ると……チベットかなぁ。
絵:チベットは初めて行くと衝撃がでかいよね。
友:チベット人とかさ、同じ21世紀を生きている人なんだぁってなんか不思議な気がするよね。やっぱり聖域だと思う。それにチベットって景観がスゴイよね。ラサのお寺とかどれもカッコいいし、ネパールに抜ける道なんかはどの風景を切り取っても絵になるっていうか……。普通にヤク(高山牛)が放牧されていて、その向こうに雪山と青い空が広がってて、ホントどこも絵葉書みたいじゃない?
絵:うんうん。私はね……難しいなあ。でもカシュガルは捨てがたい。
友:絵里ちゃんさ、なにげにムスリム好きだよね。イスラム教の香りのするところに弱い(笑)。
絵:そうなんだよね、それ、旅に出ての新発見。
友:カシュガルはやっぱりイスラム教の香りがしたからよかったの?
絵:うーん、なんというか、「ここ、中国なの?」って感じ。チベットはね、なんとなく頭のなかで「ここは中国じゃないんだ」ってハナから割り切れてるところがあるからいいんだけど、カシュガルはなんとなく中途半端っていうか……。
友:中国の中の異文化って感じがしたよね。
絵:そうそう。漢人も多いし。でもカシュガルのバザールは中央アジア!って感じがして、初めてその香りに触れて興奮したのかも。
友:中国ってこともあって、飯もウマイ。ハミ瓜もウマイ(笑)。
絵:ラグ麺もシシカバブーもウマイ(笑)。
友:でも絵里ちゃん、「バラナシ」って言うかと思った。
絵:そうなんだよねー。ディワーリーのお祭りはめちゃめちゃキレイだったし。バラナシっていうかね、インドはあの「ローマの休日」じゃないけど……いろんなとこ旅してどこがよかった?って聞かれたら、「インド」って答えちゃいそうで怖いんだよねー(笑)。
友:絵里ちゃんインド好きだよね。
絵:ともちゃん、ほかよかったところは?
友:上海はおもしろかったねー。バックパッカー的には物価が高いから引かれる場所だけど、俺たちには合ってた場所だと思うなあ。俺たち基本的にやっぱり都会好きってところがあるのかも。ネオンがピカピカしてる街が好きだよね。
絵:ともちゃん、オタクだしね(笑)。ゲームとかVCDとかいっぱい買ってたよね。
友:でも俺が挙げたの、両方とも中国だね。
絵:ともちゃんは中国好き。私はインド好き。大国は強し、じゃない?
友:そうだね。やっぱりどっちも土地が広いからいろんな要素が入り乱れてるし。行く場所も多いし、「これが同じ国?」って驚くこともあるしね。
絵:でもカンボジアもよかった。遺跡ナンバーワンは断然アンコール・ワット。
友:ネパールも居心地のよさではナンバーワン。いちばん長くいたもんね。
絵:だね。いいところを挙げてるとキリがないねー。イヤだった場所は……ボーダーの町ってけっこう好きじゃないことがあるかも。
友:ああ、わかる。ボーダーって独特の活気があったりとか、国境線を越えた瞬間雰囲気が変わるところがおもしろかったりするんだけど、そのかわり旅行者には刹那的っていうかさ、「どうせ一晩切りの客だ」みたいなところもあるよね。
絵:なんか高速道路のパーキングエリアで食べるご飯が味気ないような感じだよね。
友:あ、でもそれやっぱりネパール〜インドの国境のイメージがデカイのかも(笑)。
絵:確かに。あそこのボーダーはなんか物悲しい雰囲気だった。
友:カンボジア〜ベトナムに入ったらいきなり道路が舗装されてバスもデラックスになったのとか、おもしろかったよね。
絵:そうそう、急にみんなすげ笠かぶりだして(笑)。
友:その逆に、カンボジアに入るときは地獄だったけど(笑)。
絵:でもカンボジア自体はすごくよかったよね。私は東南アジアではいちばん印象が強いかも。
友:結局イヤだった場所ってさ、場所自体がイヤだっていうよりは、イヤな思い出があった場所って感じだよね。
絵:そうだね。

 

●よかったエピソード/悪かったエピソード

友:それ思うとさ、よかったエピソードとか悪かったエピソードとかもいっぱいあるよね。
絵:やっぱり人との出会いは大きいよね。いくら観光地に行ってても、やっぱり現地の人と何も話さないってこともないし、ツーリスト同士でもいろんな国のいろんな人と会える。
友:ふたりで旅をしてても、毎日いろんな人が登場するよね。
絵:そうそう。一瞬見かけた人でもインパクトのある人はいるし、親切にしてくれた人とか……アンコールのトゥムさんとかポタラ宮のドルジとか、ホントいろんな人に会ってるよね。
友:トゥムさんの日記、俺すごい好き(笑)。
絵:ありがと。チベット人のドルジもすごくいい人だった。ほんとにジェントルマンで、心があったまる人だと思ったなあ。なんかチベットの見方が変わった気がするもん。チベット人とかネパール人とかは、ホントみんなすごくいい雰囲気だった気がするなあ。
友:あと、断然登場人物が多くなるのがインド! みんなちょこっとでも英語を話せたりするから、コミュニケーションとりやすいよね。
絵:バラナシで4年ぶりに再会したラジェスと、インドのブラッド・ピットのジャグー! いい奴らでした。
友:それから、ツーリスト同士の出会いもあるよね。
絵:ホームページの「旅の道連れ」は膨大になり過ぎてまとめられないのです、皆様ごめんなさい。
友:早くやってねー。
絵:はーーい。それはそうと、バラナシの宿は国際色豊かで楽しかったなあ。
友:絵里ちゃん、毎晩夜遊びしてたよね(笑)。
絵:失礼しました(笑)。でも、アジアを旅していると一度会った人に別の場所でもう一度会うってことがよくあるよね。
友:そうだね。そのときにバラナシの宿で会った人にまたここゴアで再会してるしね。
絵:そういう意味ではゴアとかバラナシとかは旅行者にとっての社交場なのかもね。だから印象に残る話が多いし。
友:あと……風景ももちろんドラマだよね。
絵:そうそう、エベレストなんかはさ、もうなんというかそれだけでよかった、素晴らしい!って感じだよね。見ただけであがっちゃうっていう(笑)。
友:そういう意味では俺はトレッキングのときに通ったゴレパニのプーンヒルがよかった。やっぱり頂上まで歩いて登ったっていう達成感があったしね。標高3000メートルちょっとなんだけど、目の前にガンドルンやらアンナプルナやら6000メートル級の山が広がって、ちょっとウルルときちゃう風景だった。
絵:悪かったエピソードと言えば……やっぱゴルムド〜ラサ
友:でしょう(笑)。36時間ドライブ、高山病に罰金ときたら……。
絵:確かに、アレはつらかった。
友:さっきも言った、カンボジア入国のときのトラックもつらかったけど。
絵:まあね、でもあれはいま思うといい思い出、ゴルムド〜ラサはいまでも思い出したくない思い出(笑)。
友:あと、妻の家出(笑)。
絵:あれはねー、ははは。でも読んでくれてる人からの反響は大きかったよね。やっぱり他人の不幸は蜜の味だ(笑)。
友:あと、カトマンドゥで書いた「チャンドラの日記」も別の意味で読者からのメールが多かったよね。「私もこういう経験をした」とか「やっぱり私もそう思う」とか、みんな似たような経験をしてるんだなぁと思った。
絵:そうそう、みんなやっぱり旅してると人との距離のとり方が難しいのかもね。

 

●うまかったもの/まずかったもの

友:あと、思い出に残るといえばなんといっても食べ物!
絵:私たち、相変わらず食いしん坊だよね。特にゴアにきてから毎日食べ物の話ばっかりしてる(笑)。貧乏旅行者にしちゃあエンゲル係数高めだよね。
友:飯がうまかった国と言えば……。
絵:断然中国! パワーンってドラ叩いちゃうよ(笑)。
友:中国はやっぱりおいしかったよね。何食べてもそこそこいけたよね。
絵:そうそう。北京ダックもおいしかったし、砂鍋も好きだったなあ。上海で食べたショーロンポーもうまかったね。
友:あと、普通の店で食べる麺とか炒め物とかも、熱々で出てきて、おいしかった。
絵:そうそう、カシュガルで食べたラグ麺も〜。アレ超好き。いますぐ食べたい(笑)。
友:カシュガルといえばハミ瓜かな!
絵:ともちゃん、ハミ瓜すごい気に入ってたよね。
友:うん、普段は絵里ちゃんのほうがフルーツばくばく食ってるのにね(笑)。
絵:フルーツがおいしいといえばやっぱりタイだよね。つうかタイは全部おいしいか。
友:おいしいかった。センミーナムとかバーミーナムとかカレーとかただのぶっかけご飯とか、とにかく屋台で食べ歩くのが楽しかった。
絵:あと、食べ物がウマかったといえば、ベトナム!
友:あー、ベトナムはおいしいかったね。朝食べるフォーなんて、涙出たよね。
絵:私、ビア・ホイで食べた揚げ春巻き、この旅でいままで食べたウマイものベスト5に入るもん。
友:コム(普通のぶっかけご飯)もおいしかったし、あとフランスパンが食べられたのには感動したな。
絵:あと、チェ(ベトナム風あんみつ)。一日一杯食べてたもんね。
友:あああ、食べたい……。
絵:あと、カトマン! カトマンの飯は違う意味でうまかった。
友:日本と同じ日本食が食べられたのには涙が出たね(笑)。
絵:ダルバートもおいしかったけど、日本食とか洋食とかツーリスト向けのレストランが発達していたよね。
友:そういう意味ではここゴアも同じじゃない?
絵:うんうん、私はゴアはインドでいちばんご飯がおいしいと思うな。
友:ターリーとかマサラものとかも嫌いじゃないんだけど、そればっかりだとちょっとね……。
絵:ああ、私もそう。
友:マズかったものはやっぱりインドで買ったインスタント・ラーメンでしょう。
絵:だね。2回トライして2回ともマズかったよね。誰かインドでおいしいインスタント・ラーメンに出会った人がいたら教えてほしいもん(笑)。

 

●よかったデートスポット/悪かったデートスポット

友:あと、このサイトに欠かせないと思うのが、いままで旅してきたデートスポットでしょう(笑)。
絵:なんといっても「世界一周デート」だもんね。近頃全然デート感ないよね。サイババ・アシュラムなんてデートで行ってもしょうがないって(笑)。
友:オススメ・スポットは……? 夜景はやっぱりいいよね。デート向きな気がする。上海のバンドとか、あと夜景っていうんじゃないんだけど、バラナシのディワーリーのときはすごかった。バラナシのホーリーの色かけ祭りなんかは絶対カップルで行っちゃいけないんだろうけど(笑)。
絵:ふたりとも色まみれになって、しかも女の子が行方不明、とかなりそうだよね(笑)。
友:そうそう。でも行ってみたいなー(笑)。あと麗江の四方街は裏通りがよかったね。風情があったし、なんかほのぼのしてたよね。
絵:表通りは中国人の観光客がそこらでバッチリポーズ決めて写真撮ってておかしかったけど。
友:そういう絵里ちゃんだって、民族衣装に変身!とかいってコスプレしてたじゃん。
絵:あ、そっか(笑)。
友:まあじゃあ麗江は表も裏もデートスポット向きってことで。
絵:私はやっぱりヴェトナムのハノイもけっこうデート向きだと思う。
友:ああ、フランス領だったっ感じの、しっとりした雰囲気があるよね。
絵:で、お風呂のイスみたいな腰かけに座ってカフェスダー(アイスコーヒー)を飲むの。
友:あー、熱いときにあの冷たいコーヒーがたまらないんだよなー。あと、遺跡はデートスポットとして向いてるよね。
絵:そうそう! 遺跡はなんか歴史のドラマが感じられるからロマンチックなんだよね。
友:人にすすめるとしたら俺はやっぱりアンコール・ワットだね。
絵:アンコールはやっぱりすごかった。私、前に行ったインドネシアのボルブドゥールも好きだったけど、アンコールはまた違った感じですごかった。
友:あと、南インドのハンピもよかったね。
絵:ハンピって巨大な岩のなかにポツンポツンと遺跡があって、なんか不思議な空間なんだよね。「兵どもが夢のあと」って感じで、風情がある。
友:カジュラーホーのジキジキ・テンプルは?
絵:あれをカップルで見て、体位を研究して、精力をつけてくださいって?(笑)
友:うんまあでも男ひとりでじーーーっと見つめてるよりいいんじゃない?(笑)
絵:そうかもね。あと、ビーチもカップル向きだよね、やっぱり。
友:そうだね。ここゴアもカップルが多いよね。
絵:そういう意味ではタイの島々を飛ばしちゃったのは惜しいなー。タイの島とかでのんびりするの、悪くないよー。帰りにタイ寄ってビーチ行く?
友:お金があったらね。
絵:そうだね〜。じゃあ、国で言ったら? デート向きの国。
友:国で言ったら……インドとか中国はカップルで行くとケンカしそうだよね。
絵:戦いが多いもんね(笑)。やっぱりベトナムとかいい気がするな〜。
友:そうだね。ベトナムは南北の街の特徴もあるし、途中にあるホイアンとかフエとかの観光地もふたりでのんびり歩いて楽しい感じだし。
絵:うん、カップルだったらできれば南から北に行ったほうがいい気がする。ひとり旅なら逆に北から南のほうがテンションあがるんじゃないの?
友:そうかもね。あと、ネパールもいいよね。トレッキングとかラフティングとかのアミューズメントもあるし、山もあるし、何よりふたりで自転車でも借りてウロウロするのが楽しい。
絵:ネパールは全体的に人もゆるいし、風景もキレイだしデート向きだよね。ケンカもあまりしなかったし(笑)。
友:あと、逆に「ここはデートしちゃダメ」ってところは?
絵:ゴルムド〜ラサ。あんなデート、絶対行きたくない(笑)。
友:でもチベットはやっぱり景色がいいからカップルにもいいと思うんだけど。
絵:じゃあ、カップルの人は飛行機で行くのをオススメします(笑)。
友:あとディワーリのときのバラナシはすごいよかったけど、バラナシ自体はデート向きじゃない気がする。ゴミゴミしててのんびりする感じじゃないし。インドは全体的に手をつないで歩いてるだけで目立っちゃうところがあるからねえ。
絵:痴漢も多いしね(笑)。それ言ったらまだ行ってないけどパキスタンとか中東とかはやっぱりデート向きじゃなさそうだよねー。
友:確かに。
絵:でも最近は日本人旅行者でもカップルが増えてきてる気がするし、よくそういう話も聞くよね。
友:やっぱり夫婦だったりカップルだったりは長旅のパートナーとしてはいちばんいいのかもね。なんといっても宿代とか安くあがるし。
絵:あとはご飯だね。ひとりだと食べられる量もオーダーするものも限られてるもんね。ふたり以上で食べたほうが、いろんなものが楽しめる。
友:そういって絵里ちゃんはすぐ横取りするよね(笑)。
絵:あはは。失礼しやした。

 

●ホームページ制作秘話

友:あと、俺らのホームページの話。これは色々と苦労が多いよね。
絵:地味な苦労がね(笑)。
友:技術的な問題も多いけど、その前に自分たちのモチベーションが問題になることも多い。絵里ちゃんとかさ、「今日はもうおしまい!」ってバタンって寝ちゃうこと多いじゃん。
絵:ともちゃんだってそうだよ〜。でも、ともちゃんもマメに記録してるよね。
友:バスの値段とかホテル代とかビザの取り方とか、こまめに更新してないと忘れちゃう。一度やり出したからにはすでに義務になってるっていう。
絵:ともちゃん、バスに乗るとすかさずメモしてるよね。文章量は私のほうが多い気がするけど、ウェブにする作業とか細かいデータとかデザインとかほとんどともちゃんだしねえ。
友:うん、色々大変なんだよー(笑)。吉田家のウェブ・デザイナーだからね(笑)。あと、写真はメチャメチャ撮ってるよね。何かあればすぐカメラを出すっていう。
絵:日本人はカメラぶら下げて……って私たちのことだよね(笑)。もう開き直って全部撮ってる。1か所観光名所に行ったら100枚は撮るし……あとウマそうなご飯が出てきたら撮るようにしてるよね。
友:そうか〜? ご飯は撮る前に食べちゃって「あ、しまった!」って思うことも多いと思うな。
絵:そうだった(笑)。
友:でも、どちらかというと「どうせ素人ですから」って感じで、「数うちゃ当たる」論法だよね。
絵:林屋ペー、パー子夫妻みたいだよね(笑)。
友:俺らも対抗してふたりとも全身黄色い服とかにする?
絵:ははは。いいね。「世界一周デート」夫婦、トレードマークは黄色い服にデジカメ!って(笑)。それはそうと、ともちゃん、ホームページをアップするときの苦労は?
友:やっぱりそれはとにかく回線速度が遅いってこと。日本だとADSLとかFTTHが結構普及してるけど、ここまで通ってきたところはやっぱりまだまだ遅い。
絵:そうだねえ。ホットメール開くのに15分とかかかったりするし。
友:でも結局見れなくて、何も見てないのに料金はしっかり取られたりして、結構ネット屋とはケンカしたよね。
絵:全然コネクトしてないのに、料金だけは取られるっていう。「イスに15分座ってただけで金取るの!」って。旅行者はみんな結構ネット屋ではケンカしてるよね。
友:確かに。出発前は「ネットさえあれば、情報はいくらでも手に入る」って思ってたところがあるけど、そうもいかないところがあると思わない?
絵:だよね〜。とにかく開かないんだもん(笑)。
友:アフリカはどうなんだろうね。あとヨーロッパとかアメリカとかネット大国の事情はどうなんだろう。今後も気になるところだね。あとは……ホームページを制作するために持ち歩いてる装備も結構大変だよね。
絵:あ〜そう。とにかく重い! 
友:重いね。あと気をつかうよね。移動のときは管理に気をつかうし、貴重品だって意識もあるし、あとは衝撃を少なくって思うし。
絵:私たち、何やってんだろって思う瞬間だよね(笑)。
友:でもさ、それでも友達とか知らない人とか旅で会った人とかが「ホームページ見てる」って言ってくれるとうれしいもんだよね。
絵:それに尽きる! ファンレターとか、人生でもらったことのないもの、もらってるもん(笑)。みなさま、ありがとうございます。
友:ラジオにも出させてもらったし。
絵:J-WAVEね。モーリーさんはいろんなこと知ってたね。なんだか不思議かつ貴重な体験だった。
友:そうそう、あとコンテスト! 2位を受賞して、賞金5万円ゲットでウホウホしちゃったヤツ。
絵:あ、それも投票してもらった方々、ありがとうございますって感じだね。これからも精進しますって思ったけど、逆に「5万円もらっちゃったからさ〜」って言って近頃豪遊してるね(笑)。
友:インドにいながらもうアッという間にそれぐらい消費してるよ。
絵:ははは。これぞアブク銭って感じだね。
友:でもやっぱりホームページがなかったら、ここまでいろんなものを記録してなかったと思うよね。
絵:やり出したからにはやりましょうって気でいるけど、「あと日記を2本書いて、それから旅の宿をまとめて、写真のキャプションつけて……」とかなってくると、もうイヤ〜ってなっちゃうよね。
友:なんのためにやってるのかっていう(笑)。まあでもやっぱり思うのはこういうこと好きなんだろうなってことだよね。別にお金にならないのに……黙っててもやっちゃうっていう(笑)。結局、なんか作ったり書いたりするのがふたりとも好きなんだろうね。
絵:まあ、自分たち好きってのもあるしね(笑)。
友:そうそう(笑)。でもまあホームページに振り回されて旅をするっていうのもバカらしいから、ほどほどがいいよね。というか、いま、いい感じでホームページが旅の記録帳になってるっていうか。
絵:そうだね、なんかホームページがあるおかげで、いいメリハリができてる感じがするね。

 

●旅で買ったもの/持ってきてよかったもの

友:旅で買ったものといえば……、いろいろあるよねー。
絵:やっぱ、コイルヒーター?いまので4代目っていう(笑)。
友:コンセントでお湯が沸かせるから超便利なんだけど、なんせネパール製、インド製はすぐ壊れる(笑)。
絵:旅行者でコレ持ってる人多いよね。特にアジアの旅行者で中国をまわってきた人は。
友:中国ではどこでも宿にあったかいお湯があって、お茶飲めるもんね。それに慣れちゃった人はどうしても部屋でお湯がほしくなる。
絵:思い出に残る買い物といえば……。
友:俺はラサで買ったタンカ
絵:ああ、あのときともちゃんタンカに恋してたよね(笑)。それ、日本に帰っても情熱が冷めてないことを祈る(笑)。でもなんだかんだ言ってともちゃんのほうが買い物してない?
友:そうかなー?(としばしふたりでいままで買ったものリストを挙げてみる)
絵:ほら、やっぱり!(笑) 私ももっと買い物しよっと。
友:でもふたりで買ってるものもけっこう多いよね。CDとかVCDとか。
絵:そうなんだよね。ご当地物!って思っちゃうしね。だいぶ我慢してるけど、実は結構な枚数を買ってるよねえ。私のものはやっぱり洋服が多いかも。寒い!って思っては買い、暑い!って思っては買って。でもともちゃんも無駄な服、結構多いよー。
友:そんなことないよ!
絵:中国で買った超ヤンキーくさいドラゴンの刺繍の服とか、日光で色が変わる「SURF GEKKO」ってトカゲがサーフィンしてるまぬけなTシャツとか(笑)。
友:いいの! いいの! 好きなの!
絵:あと日用品はやっぱりけっこう買ってるよね。よく使ってるのはコップとスプーンとか。
友:それはそうだね。特に中国だとあるとホント便利。あと充電用電池。タイで買ったやつは結構使える。でもインドで買った人はもう全然ダメって言ってたね。やっぱり充電器も日本製がいい。っていうか電化製品はやっぱり絶対日本製がいい。電池ひとつでも全然違う。
絵:そうだねー。あと、薬関係も現地で買えるけど、ちょっとしたときには日本製が安心だよね。胃薬とか解熱剤とかさ。
友:うんうん。あ、最近買ったものでは延長コードが活躍してるじゃん。宿のコンセントとかって高いとこにあったり低いところにあったりしてアダプタとか挿しにくかったりするし、そういうときに便利だよね。そういえば三又コンセントは日本から持ってきてよかったものだね。
絵:ああ、よく使ってるもんね。
友:それはそうとさー、旅行中に盲点なのは、お土産とか「安いから、買って送ればいいや」って思ってると、意外と郵便代が高くつくってことだね。
絵:そうそう。ネパールは高かった。買ったものより郵送代のほうが断然高かったしね。
友:ま、でもさ、あんまり「欲しがりません、帰るまでは……」ってやるのもストレス溜まるから、ちょこちょこ買い物するのもありじゃない?
絵:そうそう、今日はナイトマーケットがあるから、私も買っちゃおう♪

表■旅中に買ったもの一覧
友和 シャツ×3、パンツ×1、Tシャツ×4、バッグ×3、セーター×1、帽子×2、トレーナー×1、靴下、下着、フリースジャケット、手袋、バンダナ、ヒゲそり、ペットボトルホルダー、タンカ、タルチョ、チベタンカーテン、ゲームボーイ・アドバンスのソフト×5、CD-ROMいっぱい、絵葉書、布……etc
絵里 チュニック×1、パンツ×2、Tシャツ×2、長袖シャツ×3、バッグ×1、下着、靴下、手袋、ペンダントヘッド×2、アオザイ、パンジャビドレス、ピアス、サングラス、絵葉書、布、ストール、お香立て、お香……etc
ふたりのもの 音楽CD、VCD、DVD、CD-R、CD-RW、FD、本、電池、目覚まし時計、薬、食べ物その他日用雑貨……etc

 

 

●今年の抱負……

友:抱負っていってもね……。なんせ無職放浪だしね。
絵:だね。でもアフリカに行きたい。つうか行く!
友:それはひとつ大きなことだよね。
絵:だってアフリカだよ〜。どんなところが全然想像がつかない。黒人がいっぱいいて、病気がいっぱいあって、ジャングルがいっぱいあって……なんか「暗黒大陸」のイメージだもん。
友:そういう意味では絵里ちゃんはこれからいよいよ本番ってところがあるよね。いままでは行ったことのある国が多かったじゃん。
絵:そうだね。ここまで行った国で初めてだったのはカンボジアだけだね。でもアフリカと言えども、やっぱり国によっても全然違うんだろうね。
友:どうなんだろう……うーん、想像もつかない。
絵:楽しみだね〜。あとはヨーロッパ。
友:ああ、ヨーロッパは経済的に厳しいけどね(笑)。
絵:そうなんだよね〜。ヨーロッパにどんだけいれるかはお財布にかかってる。つうかそれ以降はすべてお財布次第だね。
友:アジアはまあ物価が安いからいいけど、今後この生活をできないのかしら……と思うと、ちょっと覚悟がいるよね。
絵:それでもやっぱりヨーロッパは楽しみだなあ。イタリアでパスタが食べたい!
友:また食べることだね(苦笑)。俺はニューヨークが楽しみ。
絵:そうそう、ともちゃんの初海外旅行未遂は、ニューヨークだもんね(笑)。
友:そう、ニューヨーク行ったらライブ行ってレコード買うよ!
絵:私はミュージカルが観たい。
友:ジャマイカでレゲエを聴きたいし……南米も広いみたいだし、行くところ、行きたいところはまだまだあるね。
絵:そうだね……。ということで、今年の抱負は「行きたいところに行く」ってことで(笑)
友:平和だね(笑)。いいね。
絵:でしょ、でもなんかものすごく自分勝手だよね(笑)。
友:かなり自己中心的だよね。
絵:でもいいでしょう。あとはお金と運しだい。
友:そうだね。アフリカとか情勢も悪いみたいだし、行けないところとか行けない事情とかも色々あるだろうから……やっぱりそういうのは運だよね。でもホント何はともあれ無事に旅したいよね。
絵:うん、それはもう絶対ね。
友:で、できれば年内中帰国。
絵:どうなんでしょう?
友:どうなんでしょう?
絵:すべてはお金と運しだいってことで。
友:社会復帰は?
絵:それもお金と運しだいってことで(笑)。

(2003年1月 妻・松岡絵里編集)

 

 

※本特集に関するご意見、ご要望などありましたら、メール(webmaster@sekai-isshu.com)もしくは掲示板にてお願いします
※本特集内の記事を雑誌、書籍、Webサイトへ転載することはお断りします(商業誌、商業サイト、個人サイト問わずNGです)